吟え、遊べ、全てを愉しむ愚者共よ!
 

 





 千年過ぎた道化(ピエロ)がワラウ。


「私は爺、まだまだ進む」


 千年過ぎた道化がウタウ。


「私は赤子、まだまだ戻る」


 千年過ぎた道化がアソブ。


「私は婆、まだまだ変わる」


 千年過ぎた道化がオドル。


「私は私、彼処も此処も真っ暗闇!」





 機械仕掛のお人形、螺子が切れたらそれでオシマイさようなら。

「螺子なら巻けば?」

 誰かが言った。

「そんなモノは失くしたよ」

 ヒトを造ったカミサマだって、きっとそれは同じこと。

「螺子なら此処に」

 何かが言った。

「それなら勝手に巻くといい」

 切れる前に自分で巻けば、何時迄だって動けるさ。

「それで自滅はゴメン被る」

 腰に手を当てふんぞり返り、人形達が言い放つ。

 きりりきり。

 小さな歯車軋ませて、油もさしてとオネダリを。

「踊れるようにしておくれ」

「歌えるようにしておくれ」


 人形だから何でも出切る、何でも出来なきゃ意味がない。

 語り継ごうか何もかも。

 螺子が切れて止まるまで、錆びて砕けて終るまで、享楽与えし道化となろう。

「後百年は動きたい」

「後千年なら余裕だろ」


 螺子の束を放り投げ、声高らかに嘲り笑う。

 機械仕掛のお人形、その手が創ったヒトガタも、螺子が切れたら止まるだけ。

 全てを愉しみ遊ぶがいい、吟い続ける愚者共よ。





 千年過ぎた道化がナゲク。


「私の螺子は何処に在る」


 千年過ぎた道化がサケブ。


「私の意思は何処に在る」


 千年過ぎた道化がウタウ。


「全て創りし偽りよ」


 千年過ぎた道化がオドル。


「遥か彼方に螺子など捨てた」


 千年過ぎた道化がワラウ。


「暗闇だろうと歩けよう」



 先など知らぬ、今なら知ろう、暗闇だろうと遊べるさ。



 全てを愉しむ愚者でいい。